コーポレート・ガバナンス 経営者の交代と報酬はどうあるべきか 久保克行著 ~業績と経営者交代・報酬の関係を統計的に分析
さらに、これまで行われた取締役会改革がどのような効果をもたらしたのか、今後どのような改革が必要か、より本質的な問題として企業は誰のものであるべきか、などが論じられる。
さて、今年3月決算から、年間1億円以上の報酬を受ける役員氏名と金額の個別開示が義務づけられた。ストックオプションも株価と権利行使価格の差額から得られる金額が開示対象となる。産業界からは「経営者の意欲を削ぐ」と嘆きの声が聞かれる。しかし、経営陣が業績目標を掲げる際、目標達成のための適切なインセンティブが付与されているかを開示することが大きな意味を持つことは、本書が示すとおりである。
くぼ・かつゆき
早稲田大学商学学術院准教授。1969年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学大学院経済学研究科修士課程修了。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスPh.D.。一橋大学経済研究所専任講師、早稲田大学商学部助教授等を経て、2007年より現職。
日本経済新聞出版社 2520円 287ページ
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