「スマホ持ち込みOK」"改革派"元中学校長の本音 現場の教員に身に付けてほしいのは「人間力」

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西郷孝彦(さいごう・たかひこ)
1954 年横浜生まれ。上智大学理工学部を卒業後、1979年より都立の養護学校(現:特別支援学校)をはじめ、大田区や品川区、世田谷区で数学と理科の教員、教頭を歴任。 2010年、世田谷区立桜丘中学校長に就任し、生徒の発達特性に応じたインクルーシブ教育を取り入れ、校則や定期テスト等の廃止、個性を伸ばす教育を推進した。著書に『校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール』(小学館)、『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』(小学館)など

最近日本では、個人の幸せが忘れ去られているように感じます。個人よりも、全体のためを考えて生きなさいと言われているような気がしてなりません。でもそうじゃない。個人の幸せが実現しないと、全体は幸せになれないんです。教育現場でも、教員はマイノリティーを決して切り捨ててはいけません。周りからえこひいきと言われても気にしないでください。一人の生徒に焦点を当て、とことん尽くすことによって、生徒全体が見えてくるからです。その子が抱えている悩みは、クラスや学年全体の悩みでもあります。その悩みが解決することで、どんな子でも楽しく過ごせる学校がつくられるんです。

――校長先生や教育委員会など、リーダーとして活躍されている方々へメッセージをお願いします。

マネジメントの父と呼ばれるピーター・F・ドラッカーの言葉「何によって覚えられたいか」、つまり「自分は何者で、どのように記憶されたいか」ということをつねに念頭に置いてほしいですね。前例主義になっていないか、他の人と同じでいいのか、と自身に問いかけ続けてほしいんです。僕は、自分の使命である「理想の学校を実現すること」に全力を注いできました。それが結果として、学校の果たすべき役割とつながり、子どもたちが生き生きと輝く学校をつくり上げることができたと思っています。

(注記のない写真は今井康一撮影)

制作:東洋経済education × ICT編集チーム

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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