東武大師線、乗車2分の「超ミニ路線」に長い歴史

わずか1km、巨大無人駅へ「草だんご列車」が走る

と、西新井大師の参拝客に左右されているといっていい大師線。しかし、もちろん普段はそれ以外のお客も運んでいる。

西新井駅西口駅前。下町風情があるが、近隣にはマンションも増えた(筆者撮影)

「ほとんど住宅街なんですけどね。大師線の先には日暮里・舎人ライナーも走っているので、そちらが開業してから少しお客さんが減ったのかなと。西新井駅の周辺は、昔は東武の車両工場や日清紡の工場があり、それらがマンションに変わって最近は若いファミリーも増えていますね。大師前駅のご利用は減っていても、西新井駅は増えているんです」

西新井駅から大師前駅までの1.0km、大師線はほとんど環七通りに沿って走る。スカイツリーラインと並んで環七の下をくぐると、左にカーブしながら高架へと駆け上る。そのまま1つの踏切も持たないまま、ゆったりとしたカーブを描いて再び環七通りにぶつかる直前で終点の大師前。わずか2分の短い旅だ。

車掌は先頭に乗っていた

この大師線で乗務員を務めていたという、篠崎真一曳舟駅長(取材当時。現在は東武船橋駅管区副管区長で新鎌ケ谷駅長)は語る。

曳舟駅で同駅の篠崎真一駅長(当時、中央)、落合正士東武亀戸駅長(右)と。大師線は亀戸線と共通の8000系で運用する(筆者撮影)

「高架になったのは1991年。それまでは地上を走っていて、踏切もいくつかあって渋滞もひどかったんですよね。それで高架になりました。ガラッと変わりましたね。車内から見ていると、昔は住宅地の中を走っていてほとんど遠くは見えなかったんですけど、高架になってからは遠くがよく見える。ほとんど高い建物がないんですよね」

現在の大師線はワンマン運転で車掌は乗務していない。篠崎さんが乗務員をしていた頃はまだツーマンだった時代。

「大師線の場合は西新井駅を出るときには車掌も運転士と同じ先頭に乗るんです。で、大師前に着くと運転士は反対側に移るんですが、車掌はそのまま。西新井に戻っても同じです。なので、多いときには8往復とかしていたんですけど、ずっと同じ場所に乗りっぱなしでしたね(笑)。大師前行きはまだいいけれど、西新井行きでは到着前に乗り換えの案内をしないといけない。2分しかないから案内放送のタイミングに気を遣っていました」

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