日産「テラノ」80年代米国生まれの数奇な運命

RVブームの終焉で絶版になるも見直される価値

ライバルのハイラックスサーフが荷台に脱着可能なキャノピーを載せただけなのに対し、テラノはワゴンのようにボディとルーフを一体化した。原稿執筆時点での中古車台数は1ケタと非常に少なく、価格も60万〜300万円とバラツキがある(写真:OCEANS編集部)

1980年代に、アメリカ西海岸ではピックアップトラックの荷台をカスタマイズすることが流行。

これを受けて、1986年に日産がアメリカで大人気だったダットサントラックをベースとした初代の「テラノ」をデビューさせる。

日産なのにカリフォルニア生まれ!?

当初は3ドアのみだった初代テラノ。横スリットが上部に3本入ったグリルと、後席用の三角窓が備わるなど、個性的なデザインが採用された。

インテリアも直線基調。副変速機を備えたパートタイム式4WD(写真:OCEANS編集部)

搭載されたエンジンは2.7Lのディーゼル。これに5速MTが組み合わされた。名車ダットサントラックがベースなだけに、パートタイム式4WDシステムが採用されるなど高いオフロード性能を備えた一方で、乗用車同様の足回りが与えられたことでオンロードでの乗り心地も快適な車に仕上がった。

当記事は、『OCEANS』の提供記事です。元記事はこちら

北米では「パスファインダー」の名前で販売され、両車は一気に人気車へと上り詰めていったが、日本でのセールスは、当初それほど芳しくはなかった。

転機となったのは、1987年に3Lガソリンエンジン搭載モデルが追加された頃。

折しも三菱の初代パジェロが高級車路線への変更で成功し、パジェロブームやRVブームが巻き起こったタイミングで、動力性能的に余裕のあるテラノが見直され、ダットサンとは異なる乗用車的な足回りと、ダットサン譲りの悪路走破性から一気に売れ始めた。

さらに5ドアモデルやディーゼルターボエンジン搭載車も追加され、一時は当時大人気だったライバルのハイラックスサーフを上回るセールスを記録した。

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