日本の損保会社の信用力と動向、見通しは引き続きネガティブ《ムーディーズの業界分析》
また、10年4月1日には、国内損保業界は3つのメガグループ体制へと移行している。統合効果として、システム統合によるコスト削減等が見込まれるものの、国内損保市場の縮小はさらに進んでいくとみられる。そのため、国内損保事業における収益性を大幅に改善させるのは容易ではないと考える。
このように国内損保事業環境が厳しいこともあり、各社は海外事業展開を進めてきた。しかし、海外展開が進んでいる東京海上日動や三井住友海上においてさえ、正味収入保険料ベースでの海外損保事業の割合は2割程度にとどまるとみられる。金融市場の混乱以降、保有株式の時価下落が資本への下方圧力となっていたこともあり大きな動きは見られないが、収益性改善や国内の地震や台風に集中しているとみられるリスク・プロファイルの改善に向けた、各社の海外損保事業展開に注目したい。
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