元教員、社会人と学ぶ「先生の学校」を始めた訳 転職で見えてきた「社会と教育現場」の乖離

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「公平性でいうなら、『ギフテッド』と呼ばれるような能力の高い子どもはどうなるのか。才能を発揮する選択肢が乏しく、せっかくの能力が潰されかねません。公立の学校が誰にとっても最高の場になることが私の願いですが、そのためには教育現場が横並びの意識を捨て、個別最適化された学びを実現していかなければならないと思っています」

しかし今の組織文化では、改革を志す教員ほど学校の中では孤独を強いられていて、つらそうに見えるという。また、急速に広まるICT活用に戸惑う教員も多く、そもそもICTがなぜ現場に入ってきたか腹落ちしていないケースも少なくないそうだ。

「そんな苦闘する先生たちにこそ、私たちのコミュニティーがサードプレースになるといいですね。同じ志を持った人たちと出会うことで、先生たちが自身の可能性や個性を開放していってほしいと考えています」

三原氏のお子さんは2歳。「わが子を含む今の子どもたちのためにも、早く教育改革を推進しなくてはと思います」と話す

今、「先生の学校」には教員だけでなく、教育の現状に違和感を持った子育て中の人や、教育事業を立ち上げる参考のためにとやって来るビジネスパーソンなど幅広いユーザーが参加している。三原氏は今後、学校と、社会で活躍する各分野のプロフェッショナルをつなぐプラットフォームを開発するなど、教育と社会の接続を強化していきたいという。

「ウェルビーイングという言葉が最近よく聞かれますが、私もこれからの教育は、一律ではなく1人ひとりの子どもたちの幸せにコミットするものであってほしいと思っています。今、先生たちはティーチングだけでなく、ファシリテーターやコーチングの役割も求められています。そんな新たな教育の形を実現していくためにも、先生たちのサポートを今後も続けていきたいと考えています」

三原菜央(みはら・なお)
1984年岐阜県出身。大学卒業後、8年間専門学校・大学の教員をしながら学校広報に携わる。その後ベンチャー企業を経て、株式会社リクルートライフスタイルにて広報PRや企画職に従事。「先生と子ども、両者の人生を豊かにする」ことをミッションに掲げる「先生の学校」を、2016年9月に立ち上げる。20年3月にボーダレス・ジャパンに参画し、株式会社スマイルバトンを創業

(写真はすべて三原菜央氏提供)

制作:東洋経済education × ICT編集チーム

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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