へいしゅうせんせえ 童門冬二著

へいしゅうせんせえ 童門冬二著

上杉鷹山(ようざん)(治憲(はるのり))といえば財政難で破綻寸前だった米沢藩を藩政改革と藩士たちの意識改革によって見事救った名藩主であり、人物伝も多数存在する。

四半世紀前いち早く『小説上杉鷹山』を上梓した著者が、鷹山の師でもあった細井平洲(へいしゅう)を主役に据えて執筆した自家薬籠中の小説である。鷹山や藩士たちも主役同然に登場し、旧著と重なる史実が多いとはいいながら、「教える側」からの視点はなかなかに興味深い。

経営者やミドルが部下をどのようにその気にさせるか、話に引き込ませるにはどうしたらいいか、など話術の神髄を平洲から巧まずして学ぶことができる。しかもテクニックにとどまらず、心の問題としての教訓がちりばめられている。不況脱出、経営再建に参考とすべきヒントが随所にあるのも鷹山本ならでは。

連載を単行本化したせいか終章近く話に若干の矛盾がなくはないが、うっかり読み過ごせない話が、よどみなく展開される。(純)

潮出版社 1785円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • 就職四季報プラスワン
  • 山本シンヤが迫るクルマ開発者の本音
  • 中学受験のリアル
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
衰退か再興か<br>アトキンソンと考える<br>日本の生存戦略

急激な人口減少と高齢化の先に待ち受ける地盤沈下を避け「日本再興」を進めるには、従来の常識にとらわれず新しい発想で問題に取り組むことが必要だ。最低賃金の引き上げを含む3つの生産性向上策を軸に、日本が生き残る道を探った。