ボジョレー解禁「ワインの帝王」実は鉄道マニア 火付け役デュブッフ氏、畑の横に鉄道博物館
ここからは、昨年の話だ。
昨年の解禁日は11月15日木曜日。その2日後に、小田急電鉄の企画で特急ロマンスカーEXEα(30000形)を貸切にし、ボジョレーヌーヴォーを楽しむ「ワイン列車」が運行された。
この列車には、小田急ホテルセンチュリー相模大野副支配人兼ソムリエの小牧直樹氏が同乗し、ワインにおすすめのお弁当も用意されていた。新宿―小田原間を停車しながら3時間、5種類のボジョレーヌーヴォーを楽しむ旅で、私はこれに参加していた。
そこにジョルジュ・デュブッフ氏の孫であり、現在ジョルジュ・デュブッフ社の輸出部長を務める、アドリアン・デュブッフ・ラコンブ氏も同乗していたのだった。これについてはシークレットだったようで、私も当日知ることとなった。
ロマンスカーの車内で「ボジョパ」
「小田急ロマンスカーの中で、ぜひすばらしいボジョパを!」
というアドリアン氏のフランス語の車内アナウンスとともに、「ボジョパ」が始まった。ボジョパというのはボジョレーパーティーのことで、1997年からジョルジュ・デュブッフ社と取引を開始したサントリーが主に提唱している。
今回、サントリーの方のご厚意で、私は幸運にも車内でアドリアン氏にお会いするチャンスに恵まれた。以下、フランス語通訳の方を介して特別にお話を伺った。
――私は鉄道とお酒、食べることが好きです。まさに今回のこの企画を楽しんでいますが、初めてロマンスカーに乗られてみていかがですか?
アドリアン氏(以下、ア):「すばらしいコンビネーションですね! 今までワインのイベントは数々出席してきましたが、この企画はとてもオリジナリティがあります。そしてこの景色を見ながら、ボジョレーヌーヴォーが飲めるというのはすばらしい。お天気にも恵まれ、小旅行気分です」
……と、ここで、私が鉄道好きと知り、アドリアン氏のほうから突然このような発言が飛び出した。
ア:「ところで私のおじいさん、ジョルジュ・デュブッフは大の鉄道ファンなのです。好きすぎて、ワイナリーの目の前に鉄道博物館を作ってしまったくらいです」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら