新幹線、少しでも安く乗るための「ケチケチ術」 在来線特急も新幹線をうまく使って節約可能

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最後に、比較的知られている方法ではあるが、新幹線特急券を「区間を分割して買う」と安くなる区間を紹介しよう。

新幹線の自由席特急料金は基本、各区間の指定席特急料金の520円引きと定められているが、1駅だけ利用の場合は520円引きの半額になり、860~980円程度になるのが普通だ(北海道新幹線と九州新幹線の一部区間を除く)。

しかし、なかには2駅でも980円となる区間が存在する。それはもともと1駅だったところの中間に新駅が開業した区間である。

分けて買うと安くなる理由は?

例えば東海道新幹線の静岡―浜松間はもともと途中駅がなかったが、のちに掛川駅が開業した。すると、それまで980円で利用できたのが急に2倍の料金になってしまう。これではいけないということで、新駅開業前の名残として現在でも980円のままとなっている(ただし東京―大宮間と、博多―久留米間は別事情により2駅でも半額になっている)。

また、追加新設駅はないが、駅間距離が長いことやJRの会社境界をまたぐことによって分割購入のほうが安いケースもある。

こういった区間を活用し、区間を分割して特急券を購入すると、通しで買うより安くなる区間は結構ある。下記は主な区間だ(一部お得な額がわずかな区間については省略している)。860〜980円の区間が2つ以上連続する場合は、通しで購入するよりも分割購入したほうが安くなる。

東海道新幹線
三島―浜松間
(静岡分割・980+980=1960円。520円安)
静岡―豊橋間
(浜松分割・980+860=1840円。640円安)
浜松―名古屋間
(豊橋分割・860+980=1840円。640円安)
豊橋―岐阜羽島間
(名古屋分割・980+860=1840円。640円安)
岐阜羽島―京都間
(米原分割・860+980=1840円。640円安)
米原―新大阪間
(京都分割・980+860=1840円。640円安)
※ただし三島―名古屋間など、上記の区間を2つ以上またぐ場合は通しで買うほうが安い
山陽新幹線
福山―広島間
(三原分割・860+970=1830円。650円安)
徳山―新下関間
(新山口分割・860+970=1830円。650円安)
東北新幹線
盛岡―一ノ関間
(北上分割・860+860=1720円。120円安)
上越新幹線
東京―熊谷間
(大宮分割・1070+860=1930円。120円安)
大宮―高崎間
(熊谷分割・860+860=1720円。120円安)
※ただし東京―高崎間は通しで買うと2470円で通しのほうが220円安い
北陸新幹線
飯山―糸魚川間
(上越妙高分割・860+860=1720円。770円安)
飯山―黒部宇奈月温泉間
(上越妙高と糸魚川分割・860+860+860=2580円。660円安)
※なんと日本で唯一の、3つもの区間に分割すると安くなるケース!

いかがだったであろうか。「ケチの一つ覚え」「セコイことばっか考えて」といった意見もあるだろうが、あえて言おう。これはケチの極みである! 不正な統計によって「景気は上向いている」と国にだまされ続け、実質賃金が下がっていたことが明らかとなった今、ケチにならずして何になるというのだろうか!? 賢いと言ってくれた方は「ケチの美学」を感じていただけたものと信じている。皆さんも「ケチの美学」を極めてみてはいかがだろうか。

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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