人間の覚悟 五木寛之著
「そろそろ覚悟を決めなければならない」。この文章から始まる人気作家のエッセイ。その「覚悟」とはあらゆることをあきらめ、絶望も希望も抱かずに事実をそのまま受け入れること。鎌倉時代の仏僧親鸞は「信仰の末、地獄に落ちてよい」と述べた。それが筆者の考える徹底した覚悟の例だ。経済、社会、人間の絆、そして日本という国が壊れる中で覚悟はすべての日本人の課題になっていくと予想する。
「鬱」「老い」「病」「死」などの苦しみや、「下山」と呼ぶ人生の後始末に動く自分の日常を紹介する。筆者は覚悟に徹し、生のありがたさを、改めて実感できるようになったという。「自分をすべて捨てさったところから、新しい生がはじまる」と、訴える。
新潮新書 714円
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