人間の覚悟 五木寛之著

人間の覚悟 五木寛之著

「そろそろ覚悟を決めなければならない」。この文章から始まる人気作家のエッセイ。その「覚悟」とはあらゆることをあきらめ、絶望も希望も抱かずに事実をそのまま受け入れること。鎌倉時代の仏僧親鸞は「信仰の末、地獄に落ちてよい」と述べた。それが筆者の考える徹底した覚悟の例だ。経済、社会、人間の絆、そして日本という国が壊れる中で覚悟はすべての日本人の課題になっていくと予想する。

「鬱」「老い」「病」「死」などの苦しみや、「下山」と呼ぶ人生の後始末に動く自分の日常を紹介する。筆者は覚悟に徹し、生のありがたさを、改めて実感できるようになったという。「自分をすべて捨てさったところから、新しい生がはじまる」と、訴える。

新潮新書 714円

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電池開発でノーベル化学賞<br>吉野彰氏が示した「危機感」

受賞会見とともに、リチウムイオン電池の開発の歴史と当事者の労苦を振り返る。世界の先頭を走ってきた日本も、今後および次世代型の市場では優位性が脅かされつつある。吉野氏率いる全固体電池開発プロジェクトに巻き返しの期待がかかる。