北一輝の革命 松本健一文/ふなびき かずこイラスト

北一輝の革命 松本健一文/ふなびき かずこイラスト

『評伝北一輝』全5巻(松本健一著、毎日出版文化賞)によって北の魅力は広く知られるところとなったが、こちらはコンパクトで平易な「北一輝のすべて」である。北の革命思想、辛亥革命前後の中国、取り巻く人物群像、天皇論、本書のハイライトたる二・二六事件など、その内容は間然するところがない。豊富なファクトと深い分析は入門書の域を超えている。

北が第一級の革命思想家であり、右翼、黒幕などのレッテルを貼ってすまされるような単純な人物ではないことがよくわかる。実際、ナショナルな民主主義思想や天皇機関説をはじめとしてその主張は奥が深い。北の考えたとおりの革命が成っていたら、日本、そして中国はどうなっていたか、考えさせられる。

北個人にとどまらず二・二六事件はじめ近代日本と日中関係を知る一助にもなろう。全ページにあるイラストも気が利いている。付録CDでの1時間に及ぶ著者の話も面白い。(純)

現代書館 1470円

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