奇跡のリンゴ 石川拓治著

奇跡のリンゴ 石川拓治著

無農薬農業が容易でないことは想像できるが、リンゴの無農薬栽培は想像を絶している。主人公の木村秋則さんが30年近い苦闘の果てに成功させても、まだ信じようとしない農家は多い。それほどリンゴは病虫害に弱い果樹である。

2年前にNHKが放送したドキュメンタリー映像は強烈だった。本書では、壮絶な生きざまを今度は文字でえぐることで、深みと広がりをもったもうひとつの木村ワールドが展開される。それにしてもここまで徹する人生には思無邪(おもいよこしまなし)の言葉こそがふさわしい。

読後感がさわやかなのは、木村さんの純粋さに加えて、狂気ともいえるその行動を支える家族や隣人やバイト先の人たちなどちょっと良い話がちりばめられているからだろう。無垢の心でリンゴの木になり切ったとき無農薬のカギが見つかる、という示唆は重要だ。一読すれば、木村さんのリンゴを食べたくなるだろう。人間と自然について学ぶことも多い。(純)

幻冬舎 1365円

Amazonで見る
楽天で見る


ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • 就職四季報プラスワン
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
中間決算に透ける踊り場<br>企業業績は減速が鮮明に

世界経済が踊り場を迎えている今、中間決算発表に伴う業績予想の修正が出そろった。2018年度の営業利益は前年比4.6%増と、17年度の12.9%増から減速する。『会社四季報』業界担当記者が、明暗分かれる業種内の「優勝劣敗」を解説する。