「ワゴンR」高すぎる目標を達成できない苦悩

宿敵「ムーヴ」に勝ったのは2017年7月のみ

ワゴンRがムーヴに勝ったのは2017年7月(「ワゴンR」1万0609台、「ムーヴ」9735台)の1回のみ。ほかの月は負けているものの多くの月で“いい勝負”になっている。この2車の統計台数だけをグラフ化して検証すると、スズキの1万6000台という目標は、ムーヴを意識したものとしては、その結果を見るかぎりはまんざらでもないように見える。

ムーヴ・キャンバスの上乗せ分に追いつけない

ただ、実はムーヴの販売統計には強力な“助っ人”の分も含まれているのである。それは「ムーヴ キャンバス」と呼ばれる派生車種だ。ムーヴ キャンバスは2016年9月にデビュー。スーパーハイトワゴンと呼ばれるジャンルのタントほど背が高くないものの、後部の両席サイドドアにスライド式を採用したモデルだ。

若年層の女性をターゲットとしたものの、現役子育てママやセミリタイアやリタイア層など幅広い層にも受け販売も好調に推移している。そしてこのムーヴ キャンバスの販売台数が全軽自協統計のムーヴには含まれているのである。ムーヴ キャンバスの存在を加味して再びワゴンRとの販売台数の推移を見れば、ワゴンRが2017年7月以外負けているのも理解できる。

つまり大げさかもしれないが、ムーヴ キャンバスの上乗せ分に追いつけなかったのである。ムーヴ キャンバスは2017暦年での月販平均台数で5000台を超えているので、やはりこの分の上乗せ効果は大きかったようだ。

続いてはワゴンRとN-BOXを比較してみよう。N-BOXは2017年2月から2018年1月までは、各単月の販売台数で1万台を切ったことはなく、しかも2017年8月以外は軽自動車販売1位となっている。唯一1位の座を明け渡した8月にナンバーワンとなったのは何を隠そうムーヴであったのだ。8月は新型正式発売のまさに端境期だったので、さすがのN-BOXも1位の座を明け渡さざるを得なかったようだ。

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