東急田園都市線「新型車」でトラブルは減るか 白が基調の新デザインでイメージ刷新
首都圏でも有数の人気路線である田園都市線だが、この秋に相次いだ停電をはじめ、近年はトラブルが多発している。東急によると、東急各線で列車の運行に30分以上支障を及ぼした輸送障害のうち、同社の責任によるものは2016年度以降、今年11月中旬の停電トラブルを含め13件。このうち田園都市線は10件と圧倒的に多く、このうち6件は二子玉川―渋谷間の地下区間で発生している。
その一因として挙げられるのは施設の老朽化だ。11月に発生した停電の際、同社の担当者は「ほかの路線は輸送力増強工事などで施設のリニューアルを行っているが、田園都市線の地下区間は手がついていなかったのは事実」と述べた。
更新が進まなかったのは車両も同じだ。現在、田園都市線を走る東急の車両は4種類あるが、総勢24編成と最多数を占めるのは1975~1991年に製造された8500系で、もっとも古い車両は登場から40年以上が経過している。2002年からは後継車両の5000系が導入されて8500系の一部を置き換えたものの、その後車両の世代交代はストップしていた。
後手に回った車両更新
実は、過去には5000系を大量に投入して車両の更新を進める計画もあった。2007年1月15日付のニュースリリースでは「老朽化を主な原因とする車両故障」への対策として、2007~2009年度の3年間で5000系を計250両導入し、旧型車の更新を積極的に進めるとの計画を示していた。
だが、田園都市線の5000系は現時点でも総勢180両にとどまっている。東急によると、計画が変わった理由などの正確な記録は残っていないというものの、東横線の副都心線直通(2013年開始)に向けた準備などを踏まえ、車両増備計画の変更があったとみられる。インフラと同様、結果的に車両についても手がつかない状態が続いてしまったといえそうだ。
しかしながら、新型車両の投入や今年度から本格的に始まったホームドアの設置などで、田園都市線にもやっと「順番が回ってきた」感がある。12月中には、トラブルの続発を受けて実施した緊急安全総点検の結果も報告される予定だ。
「2020」という形式は、2020年の東京オリンピックはもちろん、2022年の東急創業100周年に向けた車両としての命名だという。大きな節目に向け期待を背負った白い新型車両は、田園都市線のイメージを変える存在になるだろうか。今後の東急の取り組みが問われる。
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