間違いだらけのメンタルヘルス 久保田浩也著
ついに年間自殺者3万人超えが10年連続となった。「心の病」は10年前に比べれば理解者も医療関係者も増えている。地域社会や職場で関連講座が頻繁に催されているし、会社の管理職研修では不可欠のテーマとさえなっている。だが、それでも日本全体としては悪化のデータばかりで、よくなったという報告は皆無。改善の兆しさえない。
なぜか。この領域では「予防」という一般社会の常識が欠けているためだと著者は主張する。これまで「心の病」については、早期発見・早期治療が肝心だとされてきた。だが、それをズブの素人の上司・仲間・家族にやれというのはもともと無理だし、精神科で受診できても、薬漬け治療が相変わらず多い。
とはいえ本書はそうした状況の告発を主眼としてはいない。日本に「メンタルヘルス」という言葉を一般化させた実践家として、「心の病」予防、心の健康増進のための具体的方法・事例を豊富に盛り込む。
法研 1575円
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