「東京メトロ」は五輪までにこんなに変わる! ホームドア設置や混雑緩和はどこまで実現?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
日比谷線に導入される新型車両13000系。2020年度までにすべて新車に置き換わる(撮影:尾形文繁)

日比谷線も2020年に向けて変化が相次ぐ路線だ。同年度までに車両がホームドア対応の新型にすべて置き換わるほか、さらに大きなものとしては新しい駅のオープンがある。霞ケ関-神谷町間の「虎ノ門ヒルズ」に近い場所に開設される新駅だ。

同駅は単に虎ノ門ヒルズとの直結だけではなく、周辺で進められている新しいバスターミナルの整備や各施設をつなぐ地下歩行者通路の設置などとのリンクをはかり、都心の新たな交通結節点となることを目指す。虎ノ門に設けられるバスターミナルは、臨海部とを結ぶBRT(バス高速輸送システム)の発着点となる予定だ。新駅について、東京メトロは「虎ノ門地域の国際競争力強化に向けた当該地域の交通結節強化に寄与していく整備と考えている」という。

2020年までに東西線の混雑緩和は実現するか

一方、より切実な「混雑緩和」や「遅延解消」の面で変化が期待されるのが東西線だ。同線は最も混雑する木場-門前仲町間の朝ラッシュ時1時間あたりの混雑率が199%(2015年度)で、東京メトロ全線はもちろん、全国でもっとも混雑する路線のひとつだ。

これを緩和するための設備改良工事はすでに始まっているが、地下の駅やトンネルを大規模に改良するため、工事は長期に及ぶ。この中で、2020年度までに完成する予定なのは茅場町駅の改良と、飯田橋-九段下間の折り返し線整備だ。

東西線と日比谷線の乗りかえ客の多い茅場町駅では、東西線ホームを西船橋方面に40メートル延長し、中野方面行き列車の停止位置を変更する。

この工事の目的は、「東西線と日比谷線の乗換部の滞留を解消し、ホーム上の混雑緩和及び乗降時間短縮を図る」(東京メトロ)ことだ。茅場町駅は、日比谷線北千住・東武伊勢崎線方面からの乗客が東西線に、また東西線西船橋方面からの乗客が日比谷線中目黒方面行きに多く乗り換える。

だが、日比谷線中目黒方面行きホームと東西線を結ぶルートは、東西線ホームの西船橋寄り端部にあるエスカレーター・階段の1カ所のみだ。このため、ホームの一部に乗り換え客が集中しやすい。乗客の滞留が発生すると、乗り降りが一部の車両に集中して列車の遅れの原因となる。

このため、ホームを西船橋寄りに延ばして乗り換えルートをもう1つ新設し、さらに中野方面行きと西船橋方面行きの列車の停止位置をずらすことで、混雑を分散させようという狙いだ。合わせて日比谷線のホームも拡幅する。この改良は2020年度供用開始予定となっている。同年度を予定している日比谷線の新型車両への置き換えと合わせ、東西線-日比谷線の乗り換え利用者には待望の年となりそうだ。

次ページ増発のカギとなる設備は2019年度に完成
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事