――実際に乗車してみたのですが、定時性に優れていると感じました。バスの場合、渋滞などに影響され定時性の確保は苦労される点かと思いますが、いかがでしょうか?
工藤:西武バスではバスロケーションシステムで所要時分を実績として蓄積しています。その平均値を見ながらダイヤ改正を行っています。もちろん天候・曜日などに多少影響はされますが、ほぼご要望に応えられる時間を提示できているかと思います。
また、公共交通優先システム(PTPS)でバスに対する信号機の優先制御を行い、青信号の延長や赤信号の短縮を実施している路線もあります。地上設備の光学式車両感知器とバスに車載している専用装置が通信してバス接近を知らせ、信号にかかりづらくする仕組みですね。これも所要時分を安定させる工夫の一つです。
――電車の運転見合わせなどで代替ルートとして選ばれることも多いと思いますが、その点はどうでしょうか?
嶋田:運転見合わせがあった時に、この「電車と西武バス 乗り継ぎ早わかり図」をSNS経由でリンクしてくださることも多いようで、それを見て代替ルートとして活用いただくケースも多いみたいです。
――エリア外の私ですが、路線図を眺めるとゆったり「バス旅」を楽しめそうな路線がありそうだなと感じとれます。ご担当者のおすすめルートを教えてもらえませんか?
上原:これはかなり社内で議論しました(笑)。西武バス1日乗車券は620円でご利用いただけます。これを駆使して実際に6000円分以上のルートを踏破される方もいらっしゃるようで、驚きつつもありがたい気持ちです。
これがおすすめの路線だ!
長大なルートになりますが、所沢駅から上福岡駅を経由して大宮駅まで結ぶ路線があります。本数は少ないですが、都心から荒川を渡ると街並みも風景もガラッと変わって面白く、乗りごたえがあると思いますよ。
このルートもおすすめです。上石神井駅・石神井公園駅を越えていきますが、起点も終点も西武線の駅ではないという、まさに「ショートカット」です。始点から終点までフルに乗りとおされる方も時々いらっしゃいますね。
桜の季節は学園通りから駐屯地のあたりまでずっと桜並木が続き、とてもきれいなルートですね。この時期は車もスピードを落として運転されるので、バスも少し時間がかかってしまうことがあります。
平林寺を経由するこのルートは、秋はとても雰囲気がいいところですね。野火止用水のあたりを散策される方も多く、紅葉狩りなども楽しめます。
取材させていただいて、蓄積したノウハウと企業努力がこの1枚の「電車と西武バス 乗り継ぎ早わかり図」に集約されていることが伝わってきた。西武のバスルートは「困った時の非常食」としてではなく、継ぎ足して熟成されたうなぎ屋さんの秘伝のタレのように、その味わいを求めて何度も通ってしまいそうだ。
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