都内を「タテ移動」で使えるバス路線はこれだ 中央線から西武線、東上線へ1本で行ける!

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終点の石神井公園駅付近。道幅が狭く、バス同士のすれ違いもスリルがある(筆者撮影)

まずはJR中央線・荻窪駅北口へ向かう。荻窪駅(JR中央線)から上井草駅(西武新宿線)を経て石神井公園駅(西武池袋線)へと抜ける「便利度A」のルートだ。朝晩のラッシュが落ち着いた昼間の時間帯でも10分に1本くらいバスが来る。

道幅が狭く、行き違いにも相当神経をすり減らすだろうなぁという印象。最前列の座席に座ってヒヤヒヤしながら眺めていたが、運転士さんの巧みな運転技術に舌を巻く。道はけっこう混んでいたし、踏切での待ち時間もあったにもかかわらず、「早わかり図」に表示された所要時分通り約25分で到着。これには恐れ入った。

「電車と西武バス 乗り継ぎ早わかり図」のことやバス運行の実態について詳しく知りたくなって問い合せてみたところ、西武バスの方に直接インタビューする機会をいただけた。お話を伺ったのは、西武バス事業部の工藤さん、上原さん、業務管理部の嶋田さんだ。(以下敬称略)

西武バスに直接聞いてみた

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昔の西武バス路線案内(提供:西武バス)

――この「電車と西武バス 乗り継ぎ早わかり図」はとても洗練されていますね。地域の皆さんにもかなり浸透しているようです。

工藤:そう言ってもらえて嬉しいです。この図は、割と前面に押し出して宣伝をしています。沿線エリアの価値向上、出歩きやすい街づくりの手助けになればと考え、沢山の方に知ってもらおうと電車やバスに掲示したりティッシュに入れて配ったりしました。例えば、ひばりが丘―田無は電車を利用すると、所沢で乗り換える必要があり20数分かかってしまいますが、バスなら13分。そういったバス利用のメリットをお客様にアピールしています。

――この図はいつ頃完成したのでしょうか?

嶋田:今の完成形になったのは約10年前ですね。資料を遡ると数十年前から路線図自体はあったようです。写真のように「路線案内」として表記されていることがわかります。

上原:山手線から中央線・西武新宿線・西武池袋線・東武東上線と放射線状に鉄道路線が伸びています。ここを営業エリアとする西武バスは必然的に事業形態として「駅と駅をつなぐ」という使命があります。駅と住宅エリアを結ぶというのは一般的ですが、これは全国的にも珍しいケースだと思います。

――運行頻度が線の太さ・細さで表現されていますね。この運行頻度はどんな基準で決められるんですか?

上原:お客様の流れや需要動向に応じて運行ダイヤを作っています。たとえば石神井公園駅から吉祥寺駅方面へのルートは細く、荻窪駅方面のルートが太くなっていますが、これは新宿方面へ出るお客様が多くいらっしゃるためその流れを汲んだものと考えられます。お客様から「所要時分を記載してほしい」という声が多く、それを図に記載することで現在の形となりました。

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