自動運転、国内で報告された不具合と実態 普及価格帯にも続々投入、何に注意すべき?
確かにテスラ、日産、メルセデスとも、自動運転の定義ではレベル2にとどまる。レベル2は複数の操作をシステムが行うものの、運転の責任はドライバーが負う。「自動運転とは運転支援技術であり、すべての状況をカバーできるわけではない」と日産の研究開発トップの坂本秀行副社長は断りを入れる。
国交省と警察庁も「自動運転機能の限界や注意点を正しく理解し、機能を過信せず、責任を持って安全運転を行う必要がある」と強調。メーカーに対しては自動運転機能の使用時にも、ユーザーが注意を怠らないように啓蒙することを求めている。
では、自動運転中は、何に注意すべきなのか。各メーカーのパンフレットを見れば記載されている。ただ、実際にどのような問題が起きているのか、国内でまとまったデータがないのが現実だ。
実は多いのは「誤作動」
そこで国交省が公開している自動車の不具合情報と事故・火災情報を基に、自動運転技術にかかわるものを抽出、分析を試みた。
不具合情報は自動車ユーザーの申告によるもので、それが設計・製造上の問題か、ユーザーの操作ミスや勘違いなのかは、調査されていない。それでもヒヤリ・ハットの傾向はつかめるはずだ。
記載内容を精査した結果、自動運転機能に関連する不具合と考えられるのは72件あった。そのうち圧倒的に多いのが、必要ではない場面で自動ブレーキがかかる「誤作動」で50件。自動ブレーキやACC(車速・車間維持装置)が作動しない、もしくは不十分なケースが11件。スイッチが入らないなどがそのほかで、普及率がそれほど高くないためか、車線維持機能の不具合は1件だった。
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