NTTデータ、約30.5億ドルの企業買収で合意 米デルのITサービス部門を買収
[東京 28日 ロイター] - NTTデータ<9613.T>は28日、米デルのITサービス関連部門を買収することで合意したと正式発表した。買収額は30億5500万ドル(1ドル113.40円換算で約3460億円)。買収により、北米事業を拡大するとともに、クラウドサービスやアウトソーシングサービスを強化する。
買収するのはデルシステムズとデルテクノロジー・アンド・ソリューションズ、デルサービシスの3社とデルグループの北米を中心としたITサービス関連事業。デルのサービス部門は北米地域を中心にクラウドサービスやアプリケーション関連サービス、アウトソーシングサービスなどを提供しており、ヘルスケアや製造、サービス業、金融機関など幅広い分野の顧客を抱えている。
買収部門の2016年1月期の売上高は28億2600万ドル(同約3200億円)。
株式譲渡日は未定。のれん代等については算定中で、2016年3月期連結業績予想に与える影響はないという。
同社はグローバル化を成長戦略の柱に掲げており、2008年から積極的なM&A(合併・買収)を実施。2008年3月期に183億円だった海外売上高は2015年3月期には4490億円、全売上高に占める割合は約29%まで急成長した。2020年をめどに海外売上高1兆円、海外売上比率を50%に引き上げる計画だ。
NTT<9432.T>グループ全体では2018年3月期に海外売上高220億ドル(同約2.5兆円)、同営業利益15億ドル(同約1700億円)を目指しており、NTTはこうしたM&Aに加え、NTTデータやNTTコミュニケーションズの間で互いに顧客を紹介しあう「クロスセル」を強化することで、売上拡大を図りたい考えだ。
ただ、NTTの海外展開をめぐっては売上は拡大しているものの利益が追い付いていないとの声があるほか、NTTデータとNTTコミュニケーションズとの事業の重複も指摘されており、解決すべき課題も少なくない。
(志田義寧)
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