占領下日本 半藤一利・竹内修司・保阪正康・松本健一著

占領下日本 半藤一利・竹内修司・保阪正康・松本健一著

当事者の多くは故人となり、「戦後」史はしだいに近代史になろうとしている。しかし新たな事実の掘り起こしと推論によって謎が解明されていく機会が近年増しつつあるように思えるのは喜ばしい。昭和史では当代一流の論客たちが縦横に語り合った本書もその一つだ。単著では望みえない座談の強みが存分に発揮され、数行読んでは誰の発言だったか確かめたりする楽しみもある。

降伏は「無条件」だったかからマッカーサー解任まで18のテーマは硬軟取り混ぜ甲乙つけがたい面白さで、450ページを一気に読ませる。占領体制、9条の発案者、東京裁判の内幕、したたかな昭和天皇から当用漢字に検閲、売春まで多彩なテーマにタフに切り込む各氏の博識ぶりは言うに及ばず、座談を書籍化した編集者の苦労がしのばれる。占領下7年は半世紀以上前のこととはいえ、多くのテーマは現在に影を落とし、時に深く規定していて読み捨てるには惜しい。(純)

筑摩書房/2415円

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