キリンとサントリー、強者連合の描く野望


 だが、40年以上赤字だったビール事業は昨年にやっと黒字化。利益の約8割は清涼飲料や健康食品などの食品事業が稼ぎ出している。

創業以来、同族経営で非上場を貫き、自由闊達な独自文化を形成してきた。強固なブランド力が持ち味だが、国内需要の縮小に伴い「将来的に成長を続けるために、どこと一緒になるのがいちばんいいのか」(佐治社長)との思いを抱いていたという。その中で「規模や研究開発力、海外展開でキリン以外にない」と交渉入りを決めた。

一方、酒類事業依存からの脱却を図るキリンにも、飲料や食品に強いサントリーは、補完が図られる理想的なパートナーといえる。特に飲料事業では「長らくテコ入れが必要だっただけに(統合は)打開策として大きい」(佐治アナリスト)。設備合理化や原料の共同調達など利益率改善の余地も大きいだろう。

中長期的に海外事業の拡大でも統合はプラスに働く。海外でのM&A事業に携わった経験もある佐治社長は「日本だけじゃやっていけないと昔から言っていた」(サントリー元役員)。近年は海外売上高比率を早期に25%と現状の倍にする目標を掲げている。キリンも直近の2年で約3800億円を投じて豪州の食品大手を立て続けに買収している。

両社とも海外拡大への意気込みは強いが、現状、キリンは売り上げの7割強、サントリーは9割近くを国内に依存する。海外大手にも“食われない”企業規模を整え、資金力を高めてM&Aをさらに推し進めるシナリオだろう。

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