守勢に追い込まれたオープンAI、より高度なモデル「GPT-5.2」を発表、情報検索、文章作成、翻訳の精度と速度をアップ
対話型人工知能(AI)のChatGPTを提供するOpenAIは、ChatGPTのコーディング、科学、幅広い業務タスクを強化する新たなモデルを公開した。同社はアルファベット傘下グーグルがGemini 3を発表し高い評価を得て以降、守勢に追い込まれていた。
新モデルGPT-5.2は、情報検索、文章作成、翻訳の精度と速度を高めたと同社は11日に説明した。3つの階層で提供されるこのソフトウエアは、数学やプログラミングの分野で複雑で長期のタスクに対応するため、人間の推論プロセスをよりよく模倣できるよう設計されている。
AI開発でかつては圧倒的なリーダーだったOpenAIは、ここ数週間で新モデルを発表したグーグルやアンソロピックとの競争が再び激しくなっている。特にグーグルのGemini 3は推論力とコーディング性能で高く評価され、LMArena(エルエムアリーナ)やHumanity’s Last Exam(ヒューマニティーズ・ラスト・イグザム)といった注目度の高いAIランキングで急速に首位に浮上した。
OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は今月、社内文書で「コードレッド(非常事態)」を宣言し、ChatGPTの改良を加速するため社内リソースを振り向けるよう指示した。この方針は、3年前にChatGPTが登場した直後、グーグルが広く報じられた形でコードレッドを発した状況を想起させるものだ。
GPT-5.2の投入により、OpenAIはより多くの法人顧客を取り込み、収益拡大を狙う。同社によれば、このモデルはスプレッドシートやプレゼンテーションの作成、さらにはコードの作成をより得意とし、人々に「さらに多くの経済価値を解き放つ」ことを目指している。
GPT-5.2は11日から有料ユーザー向けに順次展開を開始する。
OpenAIは8月、待望の新モデルGPT-5を発表したが、従来モデルからの革命的な変化であるかどうかについて評価は割れた。11月には改良版の5.1を投入したものの、より高性能なGemini 3の発表によって影が薄れた。
OpenAIのアルトマンCEOは11日、経済専門局CNBCとのインタビューでGemini 3について「われわれが恐れていたほど当社の指標に影響を与えていない」と述べた。
著者:Rachel Metz
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