保育園の「防犯カメラ」も映像流出!"乗っ取り"が多発する会社や自宅の「ネットワークカメラ」、《正しい設定》と《選び方 3つのポイント》

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なお、日本語の取扱説明書がない、あるいは、日本語では簡易版しかなく詳細マニュアルは外国語でしか提供されていない製品は、適切な設定方法がわからないことが多いことから、お勧めしません。

2つ目のポイントは、サポート提供期間や発売日の確認です。製造中止から数年経つと、サポートを終了して欠陥が発見されても放置されるケースが増えてきます。

NOTICEでは「サポート終了関連情報リンク集」を提供し、賛同メーカーのサポート提供期間がわかるようにしています。ここに掲載されていないメーカーでも、価格比較サイトなどで発売日を確認し、それから5年以上経っている製品は、サポートが近く終了する可能性が高い(あるいは、すでに終了している)ことから、避けたほうが無難です。

NOTICEサポート情報
NOTICEでは、メーカーのサポート情報も提供(NOTICEのウェブサイトより)

そして3つ目のポイントは、25年から始まった、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営するセキュリティラベリング制度(JC-STAR)の活用です。25年12月現在、JC-STAR ★1(レベル1)の確認を経たネットワーク製品が出回り始めています。JC-STARは最終的に★1~★4の4レベル設定される予定ですが、★1でも最低限のセキュリティ要件を満たすことをメーカー自ら宣言しています。ラベルの有効期間中(最長2年間)、欠陥の改修も保証していますので、今後は製品選びの参考になることが期待されます。 

現状は「安全に使うことが難しい製品」

パソコンやスマートフォンでは、ソフトウェアに欠陥が発見された場合、更新版の配布をユーザーに知らせたり自動更新したりする機能が普及しています。ネットワークカメラはそのような機能の普及が遅れており、安全に使うことが若干難しい製品といえます。

NICTのIoT機器の観測・注意喚起は一定の効果を挙げていますが、インターネットを観測して把握できる範囲は限られ、ユーザー自らセキュリティに気を配ることも重要です。

また、ユーザーがより手軽にセキュリティを確保して利用できるよう、メーカーには製品の仕様や取扱説明書、ウェブサイトでの製品情報提供の改善に期待します。

東洋経済Tech×サイバーセキュリティでは、サイバー攻撃、セキュリティーの最新動向、事業継続を可能にするために必要な情報をお届けしています。
津幡 岳弘 NICTサイバーセキュリティ研究所 サイバーオブザベーション事業推進室長

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つばた たけひろ / Takehiro Tsubata

1992年郵政省入省。同省の情報システムの企画・運用や電波監理、他省庁出向や民間企業(官民人事交流)でサイバーセキュリティに携わる。2025年7月からNICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)に出向し、サイバーセキュリティ研究所全般の業務企画のほか、IoT機器のサイバーセキュリティ対策の推進に従事。

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