蘇る《清和会のドラマツルギー》、"小泉パパ"との共通点から浮かび上がる「高市劇場」が歩みうる今後のシナリオ

政治史には往々にして、ドラマティックな政治劇が誕生する。10月4日の総裁選挙で高市早苗前経済安全保障担当相が勝利し、今年結党70年を迎える自民党に初の女性総裁が誕生した。
われわれは24年前にも、今回と同じような“ドラマ”を見せられた。高市氏と総裁の座を最後まで争った小泉進次郎農林水産相の父、小泉純一郎氏の政権を誕生させた2001年4月の総裁選だ。
2人の政治家に共通する要素とは何か。そこを探っていくことで、高市氏が歩みうる今後の展開が見えてくる。
高市氏と進次郎氏の明暗を分けた党員票
まさに劇的な総裁選といえた。今回の総裁選では、高市氏が1回目の投票で獲得した議員票は64票で、進次郎氏の80票や林芳正官房長官の72票に及ばなかった。しかし、党員票は高市氏が119票で、進次郎氏の84票、林氏の62票を上回り、進次郎氏と高市氏が決選投票に進んだ。
決選投票でカギとなったのは、各都道府県連で1位の候補が1票を獲得することになっていた党員票だった。4日昼前には「進次郎氏 vs. 高市氏」の戦いになれば、高市氏が36票、進次郎氏が11票となることが判明していた。
問題は議員票で、もし高市氏が進次郎氏よりも少なければ、党内基盤の弱さにつながりかねない。決選投票で高市氏が獲得した党員票は149票で、145票の進次郎氏を4票上回った。僅差ながらこの勝利の意味は小さくない。
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