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総裁選終盤に考える「自民党が失った信頼」の中身。郵政解散から振り返る政権の勝ちパターン、負けパターン

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野田聖子議員も民営化法案に反対したが、彼女の選挙区の岐阜1区だけは、なかなか対立候補が決まらずにいた。時間的余裕がないことを理由に「ここに立てるのは無理ではないか」と進言したが、小泉さんは「この選挙は民営化法案に是か否かの戦いなんだ。(法案に)反対の候補しかいないのはおかしい!」とあくまでも刺客を立てると譲らない。結局、まったく地縁のない佐藤ゆかり氏を立てることになった。

だが、刺客となった落下傘候補たちの大半は苦労したはずだ。地元の県議や市町村議たちは現職だった造反議員につき、選挙区内でポスター貼りすらできなかった人もいた。当選後に「小泉チルドレン」と呼ばれた新人議員は教育も十分ではなく、小泉首相退陣後は造反議員たちの復党で大半は行き場を失ってしまった。緊急公募で選ばれた候補のうち、今も衆議院議員として生き残っているのは、木原誠二さんくらいではないか。その後、時々の風で生まれる政治家の資質を見るにつけても、罪なことをしたと思う。

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