「AIを同僚として認識せよ」が新常識、3年後は<業務判断の15%>をAIが担う⁉︎AIエージェント時代のCIOに必要な"人事部長"としての責任
例えば、AIエージェントは在庫管理を自動的に担当することができます。人間のエージェントがつねに在庫レベルを監視して注文や供給業者を管理する代わりに、AIエージェントはサプライチェーン関連のすべてのシステムからデータを取り込み、必要に応じて自動的に再注文したり、万が一供給業者に問題や遅延が発生した場合は、自律的に代替案を見つけることもできるのです。
営業においても、AIエージェントは見込み客開拓・営業・契約・市場調査・競合分析に関する多数の情報を自動的に取り込み、将来の営業戦略を立案するーー、そんな状況が現実になりつつあります。
新たなCIOは「人工的労働力」の人事部的存在に
この新時代と人工的労働力の台頭を受けて、Netskopeの最高デジタル・情報責任者のMike Andersonは画期的な提言をしています。「CIO(最高情報責任者)は、AIエージェントを『高度な能力を持つ新たなチームメンバー』として認識すべきだ」というのです。
さらにMikeは、「CIOには、従来のIT管理者の役割を超えた人事部門のような発想が必要で、AIツールの導入研修や性能評価、段階的な権限拡大などのプロセスを実装しなければならない」とも述べています。
重要なのは、AIエージェントが継続的に学習し、学習するにつれて行動方法が変化し、それに応じて結果を変える可能性が高いということです。つまり、CIOは定期的なチェックなしには、元来設計された方法では仕事を行わなくなったツールや、さらに悪い場合は、目標を操作したり偏った結果を生み出すことを学習したツールを管理することになりかねません。
これを踏まえると、AIエージェントの性能を継続的に監視・評価するプロセスを導入し、人間の従業員を管理するのと同じようにAIエージェントを管理するマインドセットを採用することが不可欠なのです。
AIエージェントの導入は、組織にとって「管理すべき対象の爆発的な増加」を意味します。従来限られた数の従業員だけを管理していた組織にAIエージェントが加わると、それぞれが異なる目的で異なるシステムにアクセスし、異なる判断基準で自律的に行動するため、思いがけない事態が起こる可能性があります。組織はこれまでの管理手法を調整し、この新しい状況を予測していかなければなりません。
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