消費減速にもかかわらず米株式市場の上昇が続く。ファンダメンタルズ以上の評価となっている可能性も。

2025年もすでに3分の2が終わった。ここまでの世界中の政策当局および市場参加者の最大の関心事は、1月に誕生した米トランプ政権の打ち出す経済・通商政策にあったことは間違いない。振り返ると、実際に打ち出された政策へのサプライズも大きかったが、それと同じくらいのインパクトは、アメリカ経済自体の動きだ。しかも、そのアメリカ経済の想定外の動きに対して、アメリカ市場およびグローバル市場が必ずしも整合的に動いていないという意味でも二重のサプライズが生じている。
米国経済は減速傾向に
アメリカ経済は、2023年、2024年は3%近い高成長にある。今年初めの時点では、関税の影響がある程度生じるにせよ、トランプ政権が減税の継続、追加を掲げていたこともあり、潜在成長率並み(2%程度)の成長は期待されていた。
ところが、2025年上半期の成長率は年率で+1.2%にとどまり、中でも個人消費は+0.9%と明確な減速傾向を示した。ただ、これが関税引き上げの影響による減速なのかといえば、そうとはいえない。
上半期のCPI(消費者物価指数/エネルギー・食品を除くコア指数)の上昇率は、前年下半期の3.1%から2.7%へとむしろ鈍化している。この間、財価格に限ると0.8%から2.9%に上昇しているので、関税の影響も一部表れ始めているものの、CPI全体の数値は抑制されており、消費への影響はまだ限定的とみるべきだ。にもかかわらず、消費は想定外に大きく鈍化した。
関税の影響以外の消費減速要因としては、主に2つのことが指摘できる。
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