1人1台端末もAIもフル活用、特別支援教育の現場から見えた「テクノロジーの可能性」 "ICT活用の先駆者"関口あさか教諭の視点
また関口氏は、教育現場にICT活用が十分に浸透していない背景として、テクノロジーの発展に研修が追い付いていない現状も指摘する。教員は忙しく、学び直しの仕組みも整っていない。そのため、「明日からすぐ実践できる」ことを重視した学びの場が必要だという。実際、自治体などの依頼で管理職や教員向けにICTツール講座を担当する関口氏は、次のような点を心がけている。
「現場の先生方からは、どうやって使ったらいいかわからないというご相談が多いです。そのため、アニメーションを実際にお見せしたり、ワークショップを取り入れたりして、翌日からすぐ実践できるような研修を意識しています。他校の実践をご存じない方も多いようなので、事例紹介も重要だと感じています」(関口氏)
ICTは困難さがある子どもたちの学びを支え、1人ひとりの可能性を伸ばす道具となる。学校現場には、学校種や立場を超えて、テクノロジーの活用も含めた支援の視点やスキルを共有していくことが求められている。

埼玉県立本庄特別支援学校教諭
日本初の「Canva認定教育アンバサダー」。2015年に「Microsoft認定教育イノベーター」となり、2020年に日本初の「Microsoft Innovative Educator Fellow」の資格を取得。現役教員や教育関係者を中心とした教育コミュニティ「WIEE Talks@Admin.(旧・MIEE Talks@Admin.)」を運営。イラストレーターとして教育サイトや教育書籍などにイラストを提供するほか、教材のクリエーターとしても活躍し、「ねるねるねるねの絵本」や、学研やブラザーなどと幼児・特別支援向けの教材プリントなどを作成。教員向けの講演や研修、教育イベントへの登壇、企業との連携も多数。主な書籍に『いちばんやさしいCanva教育版の教本』(インプレス)
(文:中村藍、編集部 佐藤ちひろ、注記のない写真:編集部撮影)
東洋経済education × ICT編集部
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら