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キユーピーが65年続いた育児食から撤退へ・・・共働き世帯増加で市場は拡大傾向でも、赤字が続いた理由とは? 業界トップの和光堂は新市場開拓の動き
市場が拡大基調にある中、ファンの多いキユーピーの育児食は一見すると順調に思えた。だが実際のところ、同社によれば国内シェアは1割程度。販売数量が低迷し、赤字が続いていた。
ここ数年は原料・資材価格やエネルギー費が高騰するなど、未曾有のコストアップにも苦しんできた。2022年と2024年には値上げに踏み切ったものの、足元では人件費や物流費の増加がさらなる追い討ちをかけている。

キユーピーのベビーフードの特徴の1つである瓶詰商品(撮影:尾形文繁)
しかも、育児食を製造する鳥栖工場(佐賀県)ではラインの老朽化が進む。将来にわたって生産を継続するには大きな設備投資が必要だが、利益が出ない中では困難と判断。撤退の決断に至ったというわけだ。
「育児食はキユーピーグループの“品質”の象徴で、ずっと続けていきたいと思っていた。一方で実態は、なかなか利益を出すには至らなかった。育児食への取り組み方、向き合い方に課題があったと受け止めている」(髙宮社長)
育児食の業界トップも苦労
育児食の収益性で苦しむのはキユーピーだけではない。シェアで競合を圧倒する和光堂(アサヒグループ食品)でさえも、同様の状況にある。
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