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<詳報記事>舞の海を突き落とした“節税”のワナ。約300社の企業経営者から150億円を集めたスキームはほぼ最初から空っぽだった

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業界最大手の野村証券の顧客だった舞の海氏は2022年3月、同証券を通じてコンサルティング会社「南青山FAS」(現・南青山アドバイザリーグループ、東京都港区、仙石実代表取締役)から首藤被告を紹介され、同氏が共同代表を務める「舞の海カンパニー」(東京都墨田区)はネクスト社に業務委託費として計約6600万円を支払った。

ところが間もなくボーノグループが破綻。舞の海カンパニーは提供した資金のうち約6200万円が返還されなかっただけでなく、2022年5月期の法人税などの修正申告も迫られ、加算税や延滞税など約253万円を追徴された。舞の海氏は現在、野村証券と南青山FASを相手取って計6453万円の損害賠償を求める訴訟を提起している。

コロナ禍収束後の社会経済活動の復調や、円安進行による海外投資マネーの急増などで地価の上昇幅は年々拡大しており、建設や不動産の業績は好調に推移する。それに伴って“節税”をうたい文句に営業活動するコンサルタント=脱税請負人が増えている。首藤被告の摘発はこうした傾向に当局が警鐘を鳴らしたものと考えられる。

筆者はこの事件で同被告と共謀したとして有罪となった複数の会社経営者の公判を傍聴してきた。本稿では刑事事件化を免れた舞の海氏のケースも合わせて、同被告のスキームの全容に迫る。

“節税”スキームの全容

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