共働き家庭を待ち受ける「夏休みの壁」、学童なしで大丈夫?プロに聞いた乗り切り方 子どもの力を引き出すプランニング術とは

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親の役割は、計画を詰め込みすぎないよう「これくらいにしておいたら達成しやすいんじゃない?」と声をかけ、失敗したときに本人が自信を失わないようにサポートしてあげることだという。

島根氏は「子どもに自己決定させることは、いわば“人生プランの壮大な練習”です。子どもが自ら計画し、思いどおりにいかない中で試行錯誤する。この繰り返しが、子どもの自立心を育むのです」と強調する。

島根太郎(しまね・たろう)
東急キッズベースキャンプ 代表取締役社長、キッズコーチ協会 代表理事
1965年東京都目黒区生まれ。中央大学卒業。輸入雑貨事業や自然食事業などを経て、2003年エムアウトに入社。心理学に関わる事業開発を経験し、小1の壁の問題解決と非認知能力の教育を志し、2006年キッズベースキャンプを創業。民間学童保育のパイオニアとして業界を牽引。2008年12月には東急グループ入りし、東急グループの子育て支援事業の中核企業として展開を開始。民間学童保育協会、東京都学童保育協会で理事を務める。保育士資格保有

「動と静」「個と集団」の最適なバランスを見つける

そして、子どもが気持ちよくのびのびと生活するうえで大事な点として、島根氏は「動と静」「個と集団」という2つのキーワードを挙げる。

「活発に動きたい日もあれば、一人で静かに過ごしたい日もありますから、これらのバランスを意識することが重要です。『動』の活動、つまり体を思いきり動かす遊びは、子どものストレス発散のために欠かせません。午前中や夕方など比較的過ごしやすい時間帯で、少し体を動かすだけでも、子どもの心は驚くほど安定します。何日も室内で静かな遊びばかりしているとストレスがたまり、些細なことでケンカが起きやすくなるのです」

「個と集団」のバランスについては、島根氏は次のように語る。「一人でじっくり本を読んだり、工作に没頭したりする『個』の時間は、集中力や探究心を育てます。一方で『集団』での活動は、コミュニケーション力や社会性を育むうえで不可欠です。一人で過ごす時間も大切ですが、それだけでは得られない経験が『集団』の中にはあります。とくに、親以外の大人たちとの関わりを積極的に持てるといいですね」。

この「動と静」「個と集団」の最適なバランスは一人ひとり違うというから難しいが、保護者が子どもの様子を見ながら調整してあげたい。

夏休みは、親にとっても子どもにとっても、多くの可能性を秘めた特別な時間だ。計画を詰め込みすぎず余白を持って、親子で創意工夫しながら楽しめれば、きっと成長に満ちた夏になるはずだ。

(文:せきねみき、注記のない写真:東急キッズベースキャンプ)

東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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