「王様はいらない」…首都軍事パレードに合わせたトランプ氏への抗議デモ、2000カ所で計画

【ロサンゼルス=金子靖志、ワシントン=淵上隆悠】米カリフォルニア州の連邦地裁は12日、不法移民摘発強化への抗議デモを受けてトランプ大統領が命じたロサンゼルスへの州兵動員は違憲だとして、州知事に指揮権を返還するよう命令した。トランプ政権は即日控訴し、控訴裁は地裁命令の発効を一時差し止めたことから、州兵は派遣されたままとなっている。
地裁判決では、トランプ氏が同州のギャビン・ニューサム知事の同意なく州兵を派遣した措置は、「州の主権を侵害し、憲法違反だ」と指摘。トランプ氏が主張する「反乱」の状況についても「一部暴徒化した例はあったが、組織的かつ武装した反乱とは程遠い」として、州兵の指揮権を知事に返還するよう命じた。
地裁命令の発効を一時差し止めた控訴裁は、17日に審理を行い、命令発効の是非などを検討する予定だ。
ロサンゼルスでの抗議デモは12日、少なくとも全米35都市に拡大した。ロスでは10日から夜間の外出禁止令が発令されているが、デモ隊が抗議活動を強行するなどし、12日夜までに300人以上が逮捕された。
こうした中、政権が首都ワシントンで軍事パレードを行う14日に合わせて、「ノー・キングス(王様はいらない)」と題してトランプ氏に抗議するデモが各地で計画されている。AP通信によると、デモは全米約2000か所で行われる予定で、各地で厳戒態勢が敷かれる見通しだ。既にテキサス州では5000人以上の州兵の動員を決めた。
トランプ氏は12日、ホワイトハウスで記者団に、「(私は)王様という感じではない。何かを(議会などで)承認してもらうには地獄のような道のりだ」と話した。
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