
尹大統領の罷免を求め抗議する人たち。彼らは他の意見を受け入れようとしない(写真:Woohae Cho/Bloomberg)
「撤退するかどうか、幹部だけで決めるのは納得がいかない!」
2014年春、台湾で発生した「ひまわり学生運動」。中国との貿易協定の内容が中国側に有利であり、台湾の産業に悪影響を及ぼすと心配した若者たちが、国会に当たる立法院を占拠した事件だ。
占拠から20日超、若者たちの主張は世界にアピールでき、理解と支援の声も十分に集まっていたが、彼らの肉体的・精神的疲労はピークに達していた。そして、そのとき、当時の立法院長から魅力的な妥協案が出されてもいた。
「撤退は今か──」。林飛帆氏らリーダーたちがそう思い始めたところに、冒頭の発言が聞こえてきた。その声を聞いた林氏は何をしたか。丸1日をかけて、占拠中の学生一人ひとりの意見を聞いて回ったのだった。
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