エルピーダメモリがついに経営破綻 坂本幸雄社長会見詳報
--先週の木曜日に株式の授権枠を2倍に拡大すると発表したばかりだ。提携するような期待感を持たせ、投資家をだましたようにも見える。
われわれも可能性のあるパートナーから、いろんなオファーがあった。それが具体的な形で出てくることを期待していたが、残念ながら具体的な形では出てこなかった。「いつまでに契約を終わらせたい」といったようなものが具体的に出てくると考えていたが、そのような形ではなかった。
--韓国メーカーに負けたということだと思うが、率直な感想は?
負け惜しみになるから言いたくない。
--時代の変化を、どう感じているか?
少なくとも、いまほど為替が円高に振れるとは、とても考えられなかった。
--産業活力再生措置法(産活法)の期限を3カ月延長すれば、うまく行く見通しはあったのか。
仮に「イフ(もしも)」という言葉を使えば、答えはイエスかもしれない。しかし、ビジネスの世界に「イフ」と言う言葉はない。
--円高に対応するために、もっと早く海外移転を進めていれば、こういう状況にはならなかったのではないか。
コストの問題もさることながら、売り上げの問題が大きい。われわれの売り上げの85%~90%が海外売り上げ。コスト以前に売り上げが極端に下がることが、われわれの経営を大きく圧迫した。
--日本はDRAMでも、システムLSIでも世界的な競争に負けている。それでもDRAMの事業を続けるのは、敗戦を繰り返すことになるのではないか。
技術をよく見ていただければわかるが、回路線幅20ナノメートルの製品をまともにつくれるのは、世界で2社しかない。それはエルピーダと韓国の会社だ。世界中のお客様がエルピーダにがんばってくれと言っているのも事実で、当社が今日、会社更生法の手続きに入るというニュースが流れた後も、「がんばってくれ」「エルピーダのDRAMがなければ製品がつくれない」と言ってくれるお客様がほとんどだった。