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東京大学の藤井輝夫総長が語る、財務・経営戦略と授業料値上げ「大学の社会貢献のため、裁量がきく資金を確保することが重要」

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――総長就任以降、「対話」を重視する姿勢を打ち出してきました。一方で、学生との対話が不十分なまま、早急に値上げが決定されたという不満も聞こえます。

値上げの決定を1年遅らせても実質的な相違はない一方、設備や施設の老朽化の問題に加え、新しい教育プログラムの設置など教育環境の拡充が進まないという事態も生じている。

藤井 輝夫(ふじい・てるお)/1964年、スイス・チューリヒ生まれ。麻布中学校・高等学校、東京大学工学部船舶工学科卒。東京大学大学院工学系研究科船舶海洋工学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門は応用マイクロ流体システム、海中工学。理化学研究所研究員、東京大学生産技術研究所長、東京大学理事・副学長などを経て、2021年東京大学第31代総長に就任 (撮影:尾形文繁)

公教育の費用をだれが負担するのか、国なのか、産業界なのか、家計なのか。本来はこうした高い目線の議論が必要だが、1、2年で結論がでるものではない。ただ、課題は待ったなしだ。まずは東大の判断で決定できる授業料の改定を一刻も早く行い、そのうえでしっかりと学生の声を聞くプロセスを進めるべきだと考えた。

総長対話などを通じて、世帯年収600万円以上でも個別の事情によって学費を自身で支払わざるをえない学生もいるなど経済的支援の課題も見えてきた。11月からは各学部などで学生と直接対話する懇談会を開き、具体的にどういう支援が必要なのか、生の声を聞いてきた。学修環境や学生生活についてのアンケートも行っており、こうした声を踏まえて、具体策を練り上げていきたい。

また、教育環境など学生に関わりが深い部分については課題を一緒に考えていけるような仕組みを整える。ただ、3万人近い学生と一緒に考える仕組みをどうつくるか、時間をかけて考えないといけない。まず、仕組みをつくるための検討チームの準備を進めている。

「運営」ではなく「経営」が国立大学に求めらている

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