「独学で東大合格」、座談会で明かされる"塾なし東大生"の共通点4つ、板書にノートは使わない? 板書の仕方、学習習慣、保護者や教員との関係性
通常、「毎日30分以上勉強しよう」などと、習慣のために学習時間の「下限」を設けることが多いですが、発想を逆転して、「上限」を設けることをおすすめします。
この方法を使うと、いくつかのメリットがあります。
勉強のハードルが下がる
勉強を何時間もしないといけない、と思うと腰が重くなってついやらないままになってしまいがち。数分でもやればOKなので、まずは気軽に始められます。
学習方法を工夫するようになる
30分までしか勉強ができないため、やり方を工夫しない限りは今までと同じ範囲を勉強することができません。必然的に、全範囲をやるためには学習の質を上げねばなりません。
結果的に毎日勉強しないと追いつかない
1日の学習時間が少ない分、テスト直前などに詰め込みで勉強することができないため、結果的に長い期間勉強するようになっていき、最終的には毎日学習することにつながっていきます。
塾なし東大生の先生や保護者に共通する、受験生への関わり方
塾なしでは、保護者や先生との関わりの比重が大変大きくなります。彼らにとって、周りの大人はどのような存在だったのでしょうか?
Aさん「受験期に一緒に過ごしていた祖父母は大学に行っていないこともあり、こちらの勉強には口を出すことはありませんでした。ただ、夜食を用意してくれて、静かに応援をしてくれました。受験期は、『勉強頑張ってね』なんて言われることも嫌だなと思っていたので、静かに応援してくれることがすごくありがたかったです」
Bさん「先生との関係でとても感謝しているのが、東大の過去問についての議論をマンツーマンでしてくれたことです。東大に『受かる』か『落ちるか』という次元の話ではなく、東大の問題をどうすれば完璧に解けるかを話し合っていたあの時間のおかげで、合否そのものよりもさらにハイレベルなことに集中でき、精神面、学力面共に成長しました」
Cさん「親戚にも同級生にも東大を目指す人はいなかったのですが、家族や身近な友人はそのことに言及しませんでした。そんな状況だからこそ、毎日淡々と東大合格に向けての努力を積めたのだと思います」
私自身の両親も、「東大にトップ合格するために高校には通わない」という選択を、何も言わずにサポートしてくれました。
今回の座談会で、皆が口を揃えたのが、周りの人が自分を信じて静かに応援をしてくれたこと、そして東大の合格そのものではなく、さらにその先の景色を見せてくれたということです。
“塾なし東大生”たちの座談会を通じて見えてきたのは、主体的に自分たちの学びをデザインしているという姿勢でした。塾に通わないという選択肢は、東大入試においては決して王道ではありませんが、自分で自分の人生を切り拓く彼らを見ていると、受験生活で勉強以上の学びを得たのだと感じます。
(注記のない写真:yuzora / PIXTA)
執筆:Overfocus代表 神田直樹
東洋経済education × ICT編集部
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