帝都復興の時代 関東大震災以後 筒井清忠著 ~「神話」の裏側に潜む後藤新平の実像に迫る

後藤の人物像については異論も多いかもしれないが、埋もれた史実を発掘し、「大風呂敷・後藤」が看板倒れに終わる経緯と政治情勢、政治家としての後藤の裸の実力、「後藤閥」が中枢を担った復興局の疑獄の構造を活写した点は特筆に値する。

東日本大震災の後、復興組織のあり方や復興プランの立案・実施、リーダー像などが繰り返し議論されているが、「悪しき意味で『歴史は繰り返す』であろう」(2章)と説く著者の警告の意味は大きい。

つつい・きよただ
東京財団上席研究員、帝京大学文学部日本文化学科教授・学科長。1948年大分県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学。奈良女子大学文学部助教授、京大文学部教授などを経る。著書に『西條八十』(読売文学賞)など。

中公選書 1470円 220ページ

  

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