繰り返される歴史のサイクルに慣れっこになるくらい、82歳の私は政治と社会の激変を数え切れないほど目にしてきた。だが、最近の動きには深く動揺し、恐れを抱いている。第2次世界大戦後に確立された国際法の根本原則があからさまに損なわれてきているからだ。武力による領土変更の禁止、紛争時の民間人保護義務、行き過ぎた自衛権の制限、「世界の平和と安全を維持」するという国連安全保障理事会の役割のすべてが崩壊しつつあり、その帰結にほとんど意識が向けられていない。
ウクライナとガザでは民間人が弾よけとして使われ、復讐や敵討ちを正当化するために自衛権がねじ曲げられている。こうした行為は、ガザでは大量虐殺の領域に足を踏み入れている。その一方で、米国とロシアは安保理で拒否権を繰り返し乱用。安保理を、停戦を呼びかけられない骨抜きの組織へと退化させた。
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