有料会員限定

外交交渉の法律解釈では時に鈍感さが必要になる 佐藤優の情報術、91年ソ連クーデター事件簿66

✎ 1〜 ✎ 457 ✎ 458 ✎ 459 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

在モスクワ・リトアニア全権代表部のライモンダス・ユラヴィチウス参事官とレストランで相談した3日後のことだ。ライモンダス氏から「ちょっとこっちに来ないか」という電話があったので、筆者は全権代表部に赴いた。

「マサル、この前の話なんだけど、こんなラインで収められないか」と言ってライモンダス氏はリトアニア側の考え方を説明した。

「日本政府とリトアニア政府の交換公文には『両国は外交関係を樹立する』と書く。この点については日本側の提案をわれわれは全面的にのむ」

──それでいいのか。

「構わない。この2年間、マサルはリトアニア独立のためにリスクを負っていろいろなことをしてくれた。この問題でマサルが日本政府との関係で難しい状況に陥るようなことは、僕としてもヴィチュカウスカス(全権代表)としても全力で阻止したいと考えている」

関連記事
トピックボードAD