東大卒地方出身の勉強法デザイナー「みおりん」が包み隠さず語る宅浪のリアル 宅浪に「向いていない人」のいくつかの特徴とは
「後悔はありません。いま当時に戻ったとしても、現役合格でも予備校浪人でもなく、宅浪を選ぶと思います。宅浪で得られたものは失ったものに比べてはるかに大きく、家族との時間を取ったり自分をじっくり内省したり、かけがえのない1年だったと思います」
(写真:みおりんさんのInstagramの投稿より)
とはいえ、物理面でも心理面でも、宅浪ならではのプレッシャーがあるのは間違いない。
「わからない問題があったとき、その場で解決できないのはストレスでした。私は母校の先生に質問しに行かせてもらいましたが、さすがに毎日は頼めないので、モヤモヤしたまま過ごすこともありました。
また、今の自分にとって東大受験がどれほど厳しいかを人と共有できなかったのもしんどかったです。地方出身で第1子、親戚など身近に大学受験をした人も皆無で、模試の結果を気軽に相談できる相手もいなかったので、辛い時期もありましたね」
みおりんさんは当時ブログを利用し、受験生ブロガーたちとつながっていたという。中には東大を受験する仲間もいて励みになったそうだ。
「当時の受験生ブロガーは、模試の成績をブログで公表する人が多くいました。お互いの状況がわかるので、レベルの近い人とより親近感を持ってコミュニケーションが取れるのです。今はInstagramやX(旧Twitter)がその役割を果たしているのかもしれません」
宅浪中は失恋も経験したというが、日記を書くことで乗り越えた。「書き出すと心がスッキリするんです。今でも、困ったことは無地のノートに書き出し、解決できるものとできないものに整理して次のアクションを決めます。私はこれを“自分会議”と名付けていますが、必ず何かしらの答えが得られるのでフォロワーさんにもおすすめしています」
「地方は大学進学に不利」なことにすら気づけない
地方出身者として都市と地方の情報格差に課題意識を抱くみおりんさんだが、そもそも地方にいると「情報格差が存在していること」にすら気づけない状況を懸念している。
「私自身、地方から東大に進学する人や浪人して東大に合格する人がこんなにも少ないとは、当時は思いもよりませんでした。残念ながら地域格差があって、地方の受験生が不利だということは受験前に知っておきたかったです。例えば都道府県内で合格体験記をシェアしたり、受験に関する情報提供や相談ができるような公的な窓口があればもっとよかったと思います」
実際、地方の宅浪受験生から「勉強場所に困っている」という相談も多く寄せられるという。「家の近くに勉強できる図書館やカフェがなく、家でもきょうだいがうるさくて集中できないという人は多いです。将来的に、アイドリングタイムの飲食店などを勉強場所として活用できないかなどと考えているところです」と未来を思い描く。
「浪人中の苦労は、結果にかかわらず人生にとってプラスになることは私が保証します。得るものは必ずあるので、前向きに頑張ってください。心から応援しています」
(文:せきねみき、注記のない写真:Ystudio / PIXTA)
東洋経済education × ICT編集部
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