東大卒地方出身の勉強法デザイナー「みおりん」が包み隠さず語る宅浪のリアル 宅浪に「向いていない人」のいくつかの特徴とは

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「すでに理解していることを説明されるのが苦手」なみおりんさんにとって、テキストを満遍なくさらう集団授業は向いていないと判断した。

「また、高校3年間で買ってもらった参考書を無駄にしたくなかったのもあります。予備校でわざわざ新しいテキストを使って、ゼロベースで授業を受けるのはコスパが悪いと思って。貧乏性なんです(笑)」

実際、費用は予備校の約5分の1ほどで済んだという。そして翌年見事、東大文科三類に合格した。

自力で調べられない人には宅浪をすすめられない

宅浪の向き不向きについて、「勉強が得意で偏差値が高くても、自力で受験をどう乗り切るか調べられない人にはおすすめできない」とみおりんさんは言い切る。

「例えば模試ひとつ取っても、自分で見つけて自分で申し込まなくてはなりません。大前提として、何をすればいいかわかっていること、わかる方法を知っていること、もしくは、せめてどう調べればわかるかイメージできていることが必要です。

また、覚悟が決まっているかどうかも重要です。宅浪の場合、学校や予備校というレールがないので、自分が諦めるとそこで終わってしまいます。“何が何でもこの大学に行くんだ”という確固たる意志がないと、宅浪を続けるのは難しいと思います」

そのほか、友人関係や恋人関係に依存しがちであったり、家族との関係が悪いような人も、宅浪とは相性が悪いとみおりんさんは分析する。

「1人だと寂しいと感じたり、SNSで友人のキラキラした大学生活を見て落ち込んだりする人は、間違いなく宅浪には向いていません。また、自宅での勉強時間が長くなるので、家族と衝突しがちな状況にある人には厳しい選択になるかもしれません」

一方でみおりんさん自身は、宅浪に向いていたと自覚している。

「私は集中力が続かないうえに飽き性なので、自習室など同じ場所にとどまらず、勉強場所をちょこちょこ変えるタイプ。午前中はカフェ、午後は自宅というのがルーティンでした。どうにもならない時は、親とウィンドウショッピングをしたりもしましたね」

現在では、小学生から高校生の幅広い層から相談が来るというみおりんさん。自身の経験を通じて語られる回答は、どれも核心をついている。

『東大みおりんのわーいわーい喫茶』では、勉強法に関する情報発信をしている
(写真:『東大みおりんのわーいわーい喫茶』より)

「特に多い悩みに、『集中できない』『やる気が出ない』があります。ですが、集中できないことは勉強しない理由にはならないと思うのです。集中できないなら、しないまま勉強すればいい。120分×1回でも、10分×12回でも、同じ2時間ですから。

また、『やる気』にはそもそも波があります。浮き沈みがあるものに頼っている時点で、覚悟が足りていないのかもしれません。私の場合は、達成したい目標があって、そのためにはつべこべ言わずにやるしかない、という感覚でした」

宅浪を通じて得られた「プロジェクト管理」のスキル

実際、宅浪の経験から得たものは多いそうだ。1番は、プロジェクト管理ができるようになったことだと語る。「目標点を達成するために、いつまでにどう勉強して何の成績を上げればいいか、つねづね逆算していました。必要な参考書を調べ、模試などを目安にどれだけの期間でどこまでできそうか考えます。計画通りにできなければ、その反省も欠かしません」

PDCAを回して勉強し続けたことが、大学入学後や企業への就職後、そして独立した今現在までも非常に役立っているという。宅浪を選んで後悔したことはないのだろうか。

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