余震(アフターショック) そして中間層がいなくなる ロバート・B・ライシュ著/雨宮寛、今井章子訳 ~所得格差の拡大が政治の右傾化を招く


 そして金持ち階層がロビー活動によって政治家を動かしていることに対する国民の不満が高まっている、と指摘している。

そこで著者は中間層の所得を増やすための方策として、負の所得税や炭素税の導入、所得税の上限の引き上げ、失業対策よりも再雇用制度の導入、世帯収入に応じた教育振興券の発行、卒業後の所得水準に応じた学生ローン、公的医療保険をすべての国民を対象にする、などという政策を提案している。

オバマ大統領に対しても著者は政策提言をしたというが、しかしオバマ大統領はこれまでのところ、このような政策には耳を貸そうとしていない。

著者も指摘しているように、アメリカの政治は右傾化の傾向を強めており、民主党もそれに同調しているように見える。

この本はアメリカ国民を対象に書かれているが、今、日本も同じような方向に向かっており、それだけに日本人にとっても参考になる。

ただ、前著『暴走する資本主義』での主張とこの本での主張とが体系化されていない、という感想を拭い切れなかった。

Robert B.Reich
米カリフォルニア大学バークレー校公共政策大学院教授。1946年生まれ。米ハーバード大学教授、米ブランダイス大学教授などを経る。米国クリントン政権での労働長官をはじめ3つの政権に仕えたほか、オバマ大統領のアドバイザーも務めた。

東洋経済新報社 2100円 207ページ

  

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