有料会員限定

古代中国で提唱された「ケインズ経済学的」政策 管仲『管子』から見る経済繁栄の条件②

✎ 1〜 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
『管子』(改訂版)松本一男 訳
『管子』(改訂版)松本一男 訳/徳間文庫(※電子版のみ)

課税には、その対象の消費を抑える効果がある。所得税は「働いたら罰金」、消費税は「買ったら罰金」、固定資産税は「持っていたら罰金」の意味だと揶揄する声もあるほどだ。課税の結果、消費が止まれば、経済も不活性化するものだ。管子はそう考え、だから徴税対象の吟味こそが最重要だと主張する。

管子の説く徴税対象

例えば管子は、塩への課税を説く。塩は人間すべてが欲するものだ。ほんの数週間でも塩を摂取しなければ人間は死ぬ。しかも単価が安いから、少し課税するだけで、国家には莫大な税収がもたらされる。民は各種の増税には敏感に反応するが、塩価だけが上がる程度なら不満を抱きにくい。

鉄に課税するのもよい。個々の鉄製品にではなく、原材料の鉄に課税するところがミソだ。仮に原材料費が高騰しても、所得税、固定資産税、消費税が上がるよりはマシだ、と捉えられるからだ。

関連記事
トピックボードAD