板橋第十小、総合的な学習の時間「子どもが1000人の大人と会う」授業の効用 若手起業家教員で注目の小泉志信先生の挑戦

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新天地の鎌倉市教育委員会で挑戦したいこと

——2024年4月から、鎌倉市教育委員会で勤務されています。教員からの転身を決意した理由を教えてください。

「3Mプロジェクト」に全身全霊で向き合いながら、自身のこれからの働き方を考えたとき、一教員というプレーヤーとして十分な手応えを感じました。

もともと20代で民間人校長となり、学校改革に挑戦することも視野に入れて活動していました。しかしこの1年間で、学校という場ではなく、教育に関する重要な行政機関で “学校文化”そのものを作り、それを広める役割を担ってみたいとも思うようになりました。

鎌倉市教育委員会は、高橋洋平教育長のもと、ふるさと納税のしくみを活用し、外部の人材や組織とのコラボを通してプロジェクト型学習などを行う「鎌倉スクールコラボファンド」をはじめ教育のアップデートに果敢に取り組んでいます。外部との連携は、僕の得意分野でもありますし、これまでのキャリアを生かしながら教育の新たな可能性に挑戦していくことができるのではないかと思い、鎌倉市教育委員会が募集する教育行政職に応募したところ、採用いただきました。

——新天地で、どのようなことにチャレンジしていきたいと考えていますか。

企業など外部と学校(教員)が手を取り合いながら、子どもたちがワクワクする教育を作りあげていくための橋渡し役として、教員が外に出る、企業も学校に入るという流れをもっと生み出していきたいですね。学校をより開かれた学びの場にしていけるよう、企業の教育系コンテンツの開発など自分のもてる力を最大限に発揮していきたいと思います。

また、僕は広島大学の教師教育者のためのプロフェッショナル・ディベロップメント講座を受講し、「まなびぱれっと」で教師教育も行ってきました。「まなびぱれっと」で後輩や教員志望の学生たちと関わる中で、若い世代は本当に優秀であることを感じました。

鎌倉市においても、これまでの経験を生かし、研修や伴走を通して若手教員がやりたいことに挑戦できるような風土をつくっていくことができたらと思っています。

——20代という若さで大胆なチャレンジを続けています。若手が教育現場で成長していくためには、どのような心構えが必要でしょうか。

まずは、先人の実践を理解することが大切だと思います。日本の教育は、教科教育も特別支援教育も非常に価値が高いものです。長年にわたって培われてきたノウハウや、子どもたちへの深い理解に基づいた教育方法は、世界からも評価されています。

今、目の前にいる先輩方の教育観や、その方が教育において何を大切にしているのか、なぜ大切にされてきたのかきちんと向き合うことが、すべてのスタートになるのではないでしょうか。

また、若手は、自身の経験不足などにより、つい、思い込みや自分が知っている世界だけで物事を判断してしまいがちです。これは、周囲とのチームワークを妨げる要因となることがあると思います。周りの先生たちの好きなことや得意なこと、やりたいことに目を向け、共感する姿勢を忘れないこと、自分がやりたいことが見つかったらそれを発信し、ていねいに巻き込みながら教育活動を展開していくことが大切だと思います。

(注記のない写真:小泉氏提供)

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
長島 ともこ フリーライター&エディター

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ながしま ともこ / Tomoko Nagashima

育児、教育、PTA、暮らしのジャンルを中心に、書籍、雑誌、PR紙、WEB媒体において取材、執筆、企画、編集、講演等の活動を行っている。また、自身のPTA活動や記事執筆を機に、全国のPTA仲間と「PTA・保護者組織を考える会」を立ち上げ、情報発信やイベントの運営、PTAやP連からの相談活動等を行う。

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