新たな訓練場では、新設された陸自地対艦ミサイル部隊の発射機
勝連分屯地は、米海軍の軍港ホワイト・ビーチに隣接している。米海兵隊は、ホワイト・ビーチに寄港した強襲揚陸艦に乗って、日本内外での訓練で移動しており、今後は陸自ミサイル部隊との共同訓練も予定される。新訓練場が日米共同訓練で利用されることもあるだろう。
目の前に住宅、裏側にリゾートホテル街
ただし、防衛省が2月に行った住民説明会では、住民の反発を和らげるため、ミサイルの動作訓練や射撃は訓練内容から削除されていた。夕方から翌早朝まで40キロ近く行進する夜間訓練も、戦車の走行は住宅密集地を避けると説明された。
実際には、ゴルフ場跡地の入り口目の前は一般住宅。入り口に面した道沿いに約500m行くと、地域住民の交流の中心となっている公民館と公園がある。その先はショッピング街だ。住宅地を避けての部隊移動は不可能だろう。
何よりも、石川インターチェンジを降りてゴルフ場跡地の方角とは反対に進むと、恩納村のリゾートホテル街に出る。ちょうどゴルフ場跡地の裏側に位置するのは、かねひで恩納マリンビューパレスやザ・ムーンビーチミュージアムリゾートなど、地元資本の老舗ホテルだ。もし新訓練場で射撃訓練が行われるようになれば、恩納村の高級リゾート地まで音が響き、宿泊客が激減する恐れがある。
これが、保守のうるま市政や自民党沖縄県連が反対する最大の要因だろう。沖縄ホテル業界は自民党の主たる支持基盤の一つなのである。
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