社会には、「協力ジレンマ」が数多く存在する。それは、互いに協力すれば皆の満足度(社会的厚生)が高まるものの、個々人が利己的な動機を持つためその実現が難しくなる「ジレンマ」を指す。例えば、交通法規の順守、納税義務の履行、ゴミ分別・プラスチックゴミ削減・省エネといった環境への配慮、コロナ禍での感染予防行動などである。
企業と社会との関係にも、水質(有害物質)や空気環境(粉塵(ふんじん))に関する環境基準への対応、適切な会計処理と税法順守、販売や勧誘に際しての消費者保護など、社会的行動と利己的行動の衝突が無数に存在する。さらに企業内には、労働者間の協力ジレンマもある。分担が明確になっていない仕事の回避、勤務時間中の副業、チームメンバーの貢献へのただ乗りといった行動は、企業の生産性に負の影響を与えているかもしれない。
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