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イノベーションボックス税制で何を目指すのか 研究の質が高くない機関は排除される恐れも

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企業の競争力強化を後押しするために税制においても工夫が進む。

2024年度の税制改正大綱が決まり、写真撮影する自公両党の税調会長(写真:時事)

令和6年度税制改正大綱が2023年12月にまとまった。121ページの大部だ。その中に「企業や個人が持てる能力を最大限発揮して挑戦する社会を実現することにより、人口減少下でも、世界から期待され評価される国であり続けることができる。企業や個人のそうした挑戦を後押しする」とある。いわば日本の競争力を磨くことに資する税制を構築する試みが含まれている。大いに賛同し、効果が発揮されることを期待してやまない。

競争力を磨くことに資する税制には、賃上げ促進税制の強化や戦略分野国内生産促進税制の創設、スタートアップ・エコシステムの抜本的強化も含まれるが、今回はイノベーションボックス税制の創設に着目することにしたい。

活用でキャッシュを生む源泉にも

イノベーションボックス税制は「国内で自ら研究開発した知的財産権(特許権、AI関連のプログラムの著作権)から生じる譲渡所得、ライセンス所得について、30%を所得控除(令和7年度から7年間の措置)する」というものだ。古くは2002年あたりにもBEPS(税源浸食と利益移転)への取り組みを整理する段階で同様の制度が検討ないしは考慮されたようだ。G7のうちフランスで2001年、英国で2013年に創設された制度でもある。いかに無形資産投資を後押しできるかを考える際には、考慮の対象となる、と考えられるものだ。

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