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2024年の原油市況はやはり需給から考えてみる 地政学ショックは長続きせず、需給が大事だ

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原油価格は地政学リスクに反応もするが、過去2年を見ても戦争より需給の影響が大きい。

アメリカのシェールオイルや南米での新油田発見などにより、米州では原油増産が続いている(写真:Sergio Flores/The New York Times)

商社でトレードの現場にいた頃から、毎年この時期にはこれから1年間の市況を頭の中でイメージするのが習慣だ。直近2年を振り返りつつ今年の原油市場について筆者の相場観を述べたい。

地政学ショックは長続きせず、需要も減速へ

2022年2月にはウクライナ戦争が勃発、ブレント原油は瞬間的に1バレル=140ドル近くに急騰した。ただその後は、下げ相場に転じた。ガス価格の急騰にあおられて22年夏に一時反発したものの2023年年央には75ドルを割り込んだ。

2023年10月のガザ・イスラエル戦争勃発で再急騰し90ドル台後半まで買われたが、長続きはせずに70ドル近くに反落。足元では80ドル割れで推移する。直近2年間は2つの戦争で一時的な急騰はあってもおおむね70~95ドルの間で変動した。

近頃の原油は地政学リスクに反応するが長続きしない。長期的な価格は、地政学的なショックを加味しつつも需給を把握して供給余力の有無を見極めることが肝要だ。

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