教師でお笑い芸人「タカタ先生」、楽しみながら算数・数学嫌いを克服するコツ 計算ドリルとドリフ好きが高じて二刀流に
ならば、自分なりにYouTubeやオンライン授業を追求していこうとその学校を辞め、中学生の勉強応援YouTubeチャンネル「スタフリ」の立ち上げメンバーとなり、大阪の撮影スタジオに1年間寝泊まりしながら中学数学の授業動画を500本撮影しました。
そのタイミングでコロナ禍になり、オンラインの需要が爆発的に増え始め、全国のたくさんの子どもたちにYou Tube動画を観てもらったり、オンライン授業に参加してもらったりするようになりました。
YouTube動画では、授業者の「動き」や「前振り」で工夫を
——YouTube動画制作において、視聴する子どもたちに理解を深めてもらうために工夫していること、大切にしていることを教えてください。

数学教師芸人、日本お笑い数学協会会長
1982年生まれ。東京学芸大学教育学部数学科卒業。お笑い芸人と数学教師の二刀流で活躍中。2016年に「日本お笑い数学協会(JOMA)」を設立し、会長に就任。著書に『小学生のためのバク速!計算教室』(フォレスト出版)、『フェルミ推定で身につける課題解決の技術』(ナツメ社)など。日本テセレーションデザイン協会が考案したT3パズルのワークショップ講師も務める。毎週水曜日『タカタ先生の算数わくわく探検隊』で全国の子どもたちにオンライン授業を行っている
デジタルネイティブの子どもたちは、良い悪いは別にして、短い時間でテンポよく構成されるTikTokなどの動画をあびるように見ています。
そんな子どもたちに飽きずに集中してもらえるよう、高めのテンション、子どもたちが理解できる範囲でちょっと早口で話すことを心がけています。授業者である僕の動きも、左右だけでなく前後に動いたり時には飛び跳ねたり。観る人をひきつける工夫を施すことを常に意識しています。
それから、「前振り」ですね。例えば、評判のレストランに行ったとき、席にすわった途端いきなり料理を出されたら、おいしく味わえないですよね。お店の雰囲気やウエイターさんの笑顔、おもてなしがあってはじめて「おいしい」「楽しい」となるじゃないですか。
授業は基本的に、子どもたちが未知のものについて伝えるものですが、冒頭から知らないことをいきなり話されても受け取りづらいもの。子どもたちがすでに知っていることを最初に出してそれと比較したり、並べたりしながら新しいことを伝えていく、「既知」と「未知」を結びつけることを意識しています。単発の知識は抜け落ちやすいですが、知識をつなぎ合わせていくとそれが網目になって、こぼれ落ちにくくなりますから。
——そのような工夫は、学校の先生方も応用できそうですね。
そうですね。あとは、先生が自分自身のあり方を見つめ、子どもたちは自分のことをどう見ているのか、子どもたちにどう思われたいのかを明確にすることが大切だと思います。
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